星屑詩情

生きろ 生きろ 生きろ

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ちゃんと勉強してるの?それで試験で落ちても知らないからね?」今までの人生で何度も浴びせられた言葉。


高校に行かなきゃいけない、大学に行かなきゃいけない、新卒1年目で生涯働ける手に職つけなきゃいけない。いつだってその時の正解のために、その時の最善になるように、自分の身体がついていかないのを無視して親の言いなりになっていた。


「教師になりたい」と言ったのは確かに私だ。だけどそれは、今いる学科で取れる資格で最善のもの。安定した職業で、地元で、子供と関われるもの。"条件"を優先して、"気力"を絞って、親や自分を納得させるために、半ば強引に選んだ選択だった。


確かに教師になりたかった。だけどボランティアに行って気がついたしまった。私には決定的に気力が足りない。子どもと対峙した時に、子どもに嘘を見せたくない。だから、気力のない私は教師になれないと思った。


その前は児童福祉司になりたいと思っていた。これも今の学科で取れる資格で、地元で働けて、子どもと関われるから。だけど子どもについて知れば知るほど、自分のことを考えれば考えるほど、児相に引っかからないラインの子どもを救いたいと思った。だからスライドして、教師になりたいと思った。


親が離婚した、親が再婚した。転校した。半分血の繋がらない弟が生まれて、小さいお母さんがいて良いねとおだてられ、やりたくもない家事や世話をさせられた。養父に半ばDVを受けた。才能のない私の中学受験、才能のある妹の習い事。…。


そんなこと、そんなことかもしれない。だけど自分1人で背負うには重かった。ずっと誰かに話したかった。中学校、高校、担任になった教師に愚痴ってしまいたい時があった。だけどあと一歩、何かが止めて口を開くことができなかった。1人だった。寂しかった。自分がそうだったから、この先にそういう状況に立ちうる子どもを、1人でもフォローしたかった。


だけど自分の問題を何1つ解決してないのに、他人の子の問題も抱えるというのは無理だということに今更気づいてしまった。どうにかしたいと今更思った。


大学3年生、就活や教採を考えなければいけないのは百も承知だ。だけど今は、この状況にして『なんでいき続けなきゃいけないのか』を永遠に考えてしまって、足が止まっている。


なんで新卒1年目で手に職をつけないといけないのか。なんのために私は働くのか。働いてどうするのか。なんのために生き続けるのか。


しんどい、しんどいとしか思えない。
教採からの逃げでもなんでもなく、今の私が教師になるのは子どもにも保護者にも周りの教師にも私自身にも毒だ。教師は学生じゃない。1人で立てない、1人で歩けない者は望まれない。


全てが言い訳かもしれないが、今は何もかも置いて真っさらにしたい。
なんで生き続けなきゃいけないのか、私には何ができるのか。


ちゃんと勉強してるの?それで試験で落ちても知らないからね?」
私の声に耳を傾けない母親は、私がその試験をすでに受けない気でいることを知らない。


頑張って、母親の言いなりになったところで今後の私の人生の世話を母親がしてくれるわけじゃない。じゃあ、もう、今は、その声を無視してもいいんじゃないか。


真っさら、真っさら。ひたすらに白。今は何も考えず、焦らず、白白白になりたい。


子どもたちの味方になりたいこと、それは嘘じゃないから。白の先、自分の余裕を見つけた先で、何かその答えが見つけ出せると良いなぁ〜〜、な夜。眠る。